耳管開放症

2018/05/17

どんな病気?

鼻の奥と耳の中(中耳)は耳管という管でつながっています。

 

 

普段耳管は閉じた状態になっていて、中耳の圧調整が必要な時に開くようになっています。

 

普通閉じている耳管が、開いたままの状態になり種々の症状が出たものを「耳管開放症」と呼びます。

 

耳管開放症は、検査を受けても異常がないことが多く、残念ながら的確な診断が付かずに何軒も病院を変えてようやく、ちゃんと診断を受けられるというケースが多いのです。

 

どんな症状があるの?

①耳の塞がったような感じ

片側だったり、両側だったりしますが多くの場合、持続する時間の長い、短いはあるものの耳の詰まったような感じ(飛行機に乗ったときや、山に登って行ったりしたときの耳の違和感の状態)があることが多いです。

 

②音が響いて大きく聴こえる

自分の声が大きく聴こえたり、響いて聴こえることもあります。

 

①、②の症状は、中耳炎や、耳管狭窄症(開放症とは全く逆の状態なのですが…)でも全く同じ感覚になることがあり、間違えられやすい原因となっています…。

 

③鼻から呼吸する音が耳に響く

この病気の方みんなに出る症状ではないですが、これがあればかなり開放症の可能性が高まる大事な兆候です!

 

さらに頭を心臓より低い位置にしばらく下げるとその症状が緩和されるかどうかを試してみてください。もしそうであれば、ほぼ耳管開放症で間違いないと考えていいでしょう。

 

なぜ起こるの?

耳管開放症は、女性の方がなりやすいと言われています。それはダイエットによる急な体重減少がきっかけになることとの関連が疑われています。

 

 

耳管の周辺には脂肪がありこの脂肪が、耳管を適度に締める働きをしています。

 

急に体重が減ることで脂肪が少なくなり、耳管周辺の脂肪も減ってしまい、締め付けが弱くなることで本来閉じている耳管が開きっぱなしになってしまうことが原因と考えられています。

これはダイエットに限らず、病気で体重が減ってしまっても同じような症状を発症します。

 

また妊娠・ピルの服用やホルモンバランスの変化によっても発症することがあり、これも女性が多い原因のひとつと考えてられます。

 

はっきりと原因が分からないことも多いので、まずは疑うべき症状の知識を持つことが一番大事とも言えます。

 

 

どうやって治療すればいい?

診断がついても、絶対に効く治療法が確立されていないのが現状です。

 

①原因の除去

原因が無理なダイエットの可能性が高い場合はなどはまずそれを止めてみることです。

また、生活習慣の乱れも要因のことがあるためそれも正していきます。

 

②お薬による治療

通常のお薬や漢方薬が効果が出ることがあり、他の治療法に比べて負担も少ないため試すべき治療法です。

 

③その他の治療

耳管へのヨード塗布・生理食塩水使用、鼓膜へのテープなどの貼付、その他の手術的治療と種々の治療法が提唱されていますので、それらを試していきます。

 

注意すべきポイントは?

まず診断をしっかりつけることが最重要です!そして、その治療に精通した耳鼻科で根気よく治療をしましょう!