扁桃腺の炎症

2018/05/21

どんな病気?

一般的には急性扁桃炎がいわゆる扁桃腺に細菌が感染して炎症を起こす代表的な病気ですが、他にも溶連菌によるものや伝染性単核球症と呼ばれるウイルス性のものなどもあります。

 

ここではその代表的な病気である急性扁桃炎について説明していきます。

 

扁桃腺は正式には口蓋扁桃と呼ばれ、口蓋垂(のどちんこ)の左右に1個ずつあります。

 

健康な状態でももともと扁桃腺には色々な細菌が潜んでいますが、普段は悪さをしていません。それが体力が少し落ちた時やかぜウイルスの感染などで活発化して急性扁桃炎を起こしてきます。

 

症状としては、まだ軽症ならのどの痛みくらいですが、重症化するにつれて高熱(38℃~40℃)、寒気、体のだるさ、食べるがつらい程の痛み(かぜではそこまではの痛みはまずでないです)がでます。

 

 

注意すべきこと!

急性扁桃炎は本来であれば一時的なものであるはずが、軽く見て放置したり、治っていないのに治療を中断すると命を落としてしまう危険が潜んでいます!

 

①扁桃周囲膿瘍

こじらせると、扁桃周囲膿瘍と呼ばれる扁桃腺の周囲にまで細菌が侵入していき扁桃腺とその周りの組織の隙間にウミが貯まってしまう病気に発展することがあります。

 

こうなってくると一般的な抗生剤の内服治療や点滴治療でさえ効果がないことも多く、耳鼻科での手術で貯まったウミを出さなければなりません。また、更にウミが胸の方へ進むと手術をしてすら致死率の高い状態となります。

 

②急性喉頭蓋炎

また腫れがのどの下方に進み、喉頭蓋という気管への入り口付近の部分が腫れてしまうと窒息死の危険性が出てきます。この場合、腫れた部分より下で緊急的に呼吸できるように、入院可能な耳鼻科で気管切開という処置が必要になることがあります。

 

これらの危険な状態ならないためには、そのときどきの重症度に合わせた的確な診断と治療、また経過が思わしくない場合の迅速な受診が必要になります。

 

治療は?

上記のような状態でなければ、基本的には吸入や抗生剤の内服で治りますが、こじらせないためにも水分摂取はしっかりと、また過労には気を付けて、十分睡眠をとりましょう!飲酒・喫煙は控え、こまめにうがいもしましょう。

こじらせてきている場合は点滴(1時間弱)もしていきます。

 

その後の注意点は?

年に3~4回以上、毎年のように扁桃炎を起こす場合や、扁桃炎が重症化したことがある場合は、扁桃腺の摘出手術が勧められます。

まずはその都度、のどの痛みが扁桃炎からのものかどうかの診断を耳鼻科で行うようにしましょう。