花粉症・アレルギー性鼻炎 治療のポイント解説!完治をめざす舌下免疫療法も!

2018/06/01

●基本的に薬で症状を都度押さえることしかできない!

●たくさんある薬の中から、自分に合う薬を見つけていくこと!専門医に相談!

●ただし!スギ花粉症、ダニアレルギーに関しては完治を目指せる、舌下免疫療法あり!

●そのためにもまずは原因の特定を!

●安易に持続的効果の強いステロイド注射はしないこと!副作用が出てから後悔しても遅い!


 

 

 

どんな病気?

発作的に起こるくしゃみ、みず鼻(さらさらで水のような鼻水)、鼻づまりが繰り返し起こるのが特徴です。

頭が重い、のどの痛みや咳を伴うことも少なくないので“かぜ”との区別が困難なこともあります。

目のかゆみがでることもありますが、これがあれば一連の症状がアレルギー性であることが強く疑われます。

これらの症状は、アレルゲン(アレルギー反応を起こす原因物質)と言われるものが、各部(目、はな、のど)に引っ付いた場合に出てきます。

 

どんなものが原因?

アレルゲンとしては空中に舞い上がるようなものが原因でハウスダスト(ダニやペットの毛)、カビ、花粉(スギ、ヒノキ:2~5月、イネ科:5~8月、キク科:8~11月など)です。

 

これらに過敏反応を起こしてしまう体質になってしまった人だけが症状がでるのです。それを採血検査で調べることができるので、希望もお聞きして検査をします。

 

その他、黄砂やPM2.5なども同様な症状を起こす原因となります。

 

治療は?

花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の治療法は主に内服や点鼻薬による治療になります。

 

以下のお薬を単体で、あるいは組み合わせて使います。その組み合わせは100通り以上で適切なものをまずは調整していきます。(効果がしっかり出るか?眠気などの副作用がなく飲めるか?が特にポイント❗)

 

一度でばっちり相性が合う薬が見つかれば一番良いですが、薬の効き目や副作用は飲んでみないと分からない部分も大きいので、一度でダメなら何度か変更しながら合うお薬を探すのも大切な行程です。

 

①抗ヒスタミン薬

種類がたくさんあり、効果の幅が大きいので一番メインで使うことが多い薬です。

 

この薬だけで当院では10種類以上揃えており、効果も軽めのものから、しっかり押さえられるものまで使い分けます。

 

一般的に効果が軽めのものは眠気もまず出ないですが、効果が強いものほど眠気が出る方の割合が多くはなります。

 

②抗ロイコトリエン

鼻づまりや鼻水などに症状により①と組み合わせたりして使います。

 

③点鼻薬

主に鼻症状に症状に応じて使います。

 

④ステロイド内服

特に症状が強く、その他の薬でどうにもならない場合などに使いますが長期間内服すると副作用が問題になりますので、アレルギー性鼻炎や花粉症には基本的に短期間しか使いません。

 

⑤注射薬

ステロイド薬の注射をすると1ヶ月以上効果が持続し、(良くも悪くも一度打つと抜けない)しっかり症状が楽になるため使用している病院もありましたが、健康な方でも注射部の陥没や、糖尿病になってしまう、高血圧、緑内障、重症副腎不全など事前に予測できない重い副作用がでる可能性があり、最近はその危険性のためやらなくなりました。

その危険性を書いたリンクを張っておきます。⇒⇒リンクはこちら

 

当院ではステロイドのような副作用がなく比較的安全に使えるノイロトロピンという注射薬を使う場合があります。1週間に一度の注射を3回ほど行うと花粉症の場合、そのシーズンが楽に過ごせるような治療です。もちろんその他の内服薬とも併用できますので、ご希望の方はご相談下さい。

 


 

以上のような治療は、内服している間、注射してしばらくの間は効果が出るのですが、それは根本的な治療ではなく、薬が効いている間だけ症状を抑え込んでいるだけなので原因となるアレルゲン(すぎ花粉・ハウスダスト・ダニ・ペット、イネ科やキク科の花粉など)が周辺にある限りは薬が切れると症状がまた出てしまいます。

 

完治をめざせる!?

完治を目指す治療として現在、スギ・ダニのアレルギーに関しては舌下免疫療法という治療法がありますので、その治療の詳しい方法、向いているかどうかなどの詳細は以下けらご覧下さい。

花粉症など つらいアレルギー症状も 完治を目指せます。