どんな病気があるの?
かぜだけが原因で咳が出る場合、1週間か長くてせいぜい2週間です。
耳鼻咽喉科で診る病気の中には、長引く咳の原因になるものが結構あります。特に、熱は続いてないのに長引く咳が多く、注意が必要です。
喘息もその一つですが、明らかな喘息の場合は繰り返すため、以前に診断を受けていて患者さん自身で原因を自覚しているケースが多いです。
第一位の病気は?
喘息に似た病気として、かぜや花粉症などがきっかけとなり、さらにPM2.5、黄砂、1日の温度差が強いなどの環境変化が加わると咳が長引き始めることがあり、アレルギー性咳嗽(がいそう)と呼ばれます。
感染によって長引く咳以外の中で最も多いものですが、一般的な内科検査(聴診、胸部レントゲンなど)では異常がないため診断がつかないまま、しんどい思いをしてる患者さんが意外と多いです。
第二位は?
副鼻腔炎といういわゆる“ちくのう症”が、アレルギー性咳嗽についで多い、長引く咳の原因です。
ちくのう症は鼻の病気ですが、鼻の症状があまりないこともあります。
ですが、実際には気づかない程度に鼻がのどに降りていくことで痰がからむような咳がでるのです。
この場合にも内科で診察を受けても、胸部レントゲンは正常ですし診断は困難です。
第三位以降は?
のどへの酸逆流症(胃酸がのどへ上がってくる病気)、腫瘍などがあります。
これらも耳鼻咽喉科で、喉頭ファイバーというのどの内視鏡カメラで確認する必要があります。
当院では、現在世界最細クラスの最新のカメラを導入しておりますので、ほとんど痛みなく検査することが可能です。
以外に思うかもしれませんが、以上のように上気道(鼻やのど)から来る咳の方が肺(下気道)から来る咳より圧倒的に多いのです。
上気道の専門家は耳鼻咽喉科なので、咳に耳鼻咽喉科が果たすべき役割が思っている以上に多いということです。
肺からの咳が疑われる時は下気道の専門家である内科(特に呼吸器内科)へ紹介致します。
どうすればよい?
以上のように、耳鼻咽喉科領域では意外と?長引く咳を起こす病気が上位を占めており、少なくとも内科にかかったけどなかなか治らない…、上記の症状があるような場合…は耳鼻科で早めに診察を受けるようにしましょう。